団長

茅ヶ崎君

代休の茅ヶ崎と有休の渋谷に呼ばれて湯島で合流する。会った瞬間に違和感を感じる。イケてないぞ。蛍光色のギザギザと同じ匂いを感じる。シャツの素材がそう思わせるのか、デザインなのか?寸ってなんだ?いろんな疑惑が頭の中を駆け巡る。ギザギザの服を着て外に出る時は必ず上に何か一枚は着ている彼なので、失礼になってはいけないと思いそこはぐっとこらえることにした。真実は後で分かることになる。
ラーメンをすする度においしいと連呼する茅ヶ崎があわれだった。来年は我が身かもしれない。今を満喫しようと誓う。明日は斑鳩に行こう。
その後、鶯谷に行くというのでお店の前までついていく。そこでお別れ。決してひよった訳ではない。これは僕のポリシーだ。親の保護を受けている身でそんなくだらない所には行かない。例え、付き合い悪いぞと言われようとも、500円だろうとも行かない。びた一文親からもらわないようになったら、逆にお小遣いをあげるようになったら、付き合い悪いぞと言われるくらいなら行くと思う。
お店が気に入らなかったらしく、再び呼び出され秋葉原の喫茶店に行く。ダンピングと言う手法にすっぽりはまってしまった。合流場所にチャリンコで向かうと、買いたくないものを買わされた気分になった。けど、思ってたより普通だった。アンナミラーズの方が変態的(大袈裟な言い方だけど)な衣装だし無駄に高いと思う。あの量と値段で紅茶もついてくるのは良心的だ(むしろ安い)と思った。秋葉原にいてお腹がすいたら行くことはあるかもしれない。
帰りは1階ではなくエレベーターを一つ上の階で降りる。だまされていたことに気づく。寸ではなく「団」だった。助けて欲しい。腹が立ったので、渋谷と結託して腕章を買わせることにした。渋谷と僕の(特に渋谷の)プレッシャーに負けて彼はそれをはめて秋葉原の雑踏に吸い込まれていった。
してやったり。わーい。
きっと一般的な人だったらかっこ悪いと思うだけかもしれないけど、あのTシャツに違和感を感じることはなかったはずだ。そっち系の人たちと付き合うことで、そっち系のアンテナが微弱な電波をも感知出来るようになってしまったに違いない。悲しい。